レジデントの活動【〜勉強会などの活動の一部をご紹介〜】

2018 10/23

抄読会

Acceleration of BMI in Early Childhood and Risk of Sustained Obesity

N Engl J Med 2018; 379:1303-1312 DOI: 10.1056/NEJMoa1803527

抄読会写真 (5)

幼少期のBMI増加率と持続する肥満リスク

背景

小児の出生時から思春期までの体格指数(BMI)の動態は不明であり,特定の年齡で持続性 の肥満を発症しやすくなるのかどうかを明らかにすることは重要である。

方法

肥満の発症年齢を評価するために、小児期(0〜14歳)と思春期(15〜18歳)の連続する身体測定データが存在する小児51,505人の人口ベースの標本集団において、BMIの経時的経過の前向き解析と後ろ向き解析を行った。さらに、小児34,196人の小児期における、BMI標準偏差スコアの1年あたりの変化と定義したBMIの年間増加の動態も評価した。

結果

後ろ向き解析では、標準体重の思春期児の大半が、小児期を通じて常に標準体重であったこ とが認められた。肥満の思春期児の約半数(53%)は5歳以降に過体重または肥満であり、 年齢とともにBMI標準偏盖スコアはさらに増加した。前向き解析では、3歳の時点で肥満であった児のほぼ90%が、思春期でも過体重または肥満であることが認められた。肥満の思春期児では、BMIの年間増加率は2〜6歳のあいだで最大になり、その後、BMIパーセンタイルはさらに上昇した。就学前のBMIの年間増加率の高さは、思春期の過体重または肥満のリスクに関連し、そのリスクは就学前にBMIが安定していた児の1.4倍であった(しかし、就学後は関連しなかった)。思春期に過体重または肥満である割合は、出生体重が在胎期間に比して大きかった児(43.7%)のほうが、在胎期間に比して適正であった児(28.4%)や小さかった児(27.2%)よりも高く、これは、在胎期間に比して大きかった児では思春期肥満のリスクが他の群の1.55倍であることに相当した。

結論

肥満の思春期児では、体重のもっとも急速な増加は26歳のあいだに生じていた。また,、その年齢で肥満であった児の大半は思春期に肥満であった。(「肥満機序」臨床研究センター のためのドイツ研究審議会ほかから研究助成を受けた。ClinicalTrials.gov登録番号 NCT03072537)