Partial Oral versus Intravenous Antibiotic Treatment of Endocarditis
N Engl J Med 2019; 380:415-424 DOI: 10.1056/NEJMoa1808312
部分内服vs静注 心内膜炎の抗菌薬治療
背景
左心側の感染性心内膜炎患者は、一般的には、最大で6週間の静注抗菌薬で治療する。臨床的に状態が安定した患者において、静注から経口抗商業治療に切り替えても、有効性と安全性は不明である。
方法
無作為化された非劣性の多施設試験では、連鎖球菌、 腸球菌、黄色ブドウ球菌、またはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌による左心系感染性心内膜炎を有する状態の安定した成人400人のうち、静注抗菌薬治療を継続した群(199人の患者)と経口抗菌薬に切り替えた群(201人の患者)に割り付けた。すべての患者において、少なくとも10日聞の静注抗菌薬治療が残っていた。経口群の患者は可能なら外来治療へ移行された。主要評価項目は、総死亡率、 予定外の外科手術、臨床的に明らかな塞栓イベント、心内膜症の原因菌による菌血症の再発を合わせた複合イベントに設定した。割り付けから、抗菌薬治療完了の6カ月後までのイベント発生率を比較することにした。
結果
心内膜炎の診断から割り付けまでの日数は、両群とも中央値17日だった。割り付け後の治療日数は、静注群が中央値19日(四分位範囲14~25日)、経口群では17日(同14~25日)だったの 経口群のうち部分的または全体が外来で治療可能だったのは160人(80% )だった。割り付け後の入院期間の中央値は、静注群が19日(14~25日)、経口群は3日 (1~10日)だった。複合イベントは、静注群の24人 (12 .1%)と傾向群の18人(9.0%)に発生した。両群の差は3.1パーセンテージポイント(-3.1から9.6パーセンテージポイント)で、信頼区間の上限が10%未満だったため非劣性が確認された。
結論
左心側の感染性心内膜炎でも、初期治療で症状が安定した患者の場合は、抗菌薬を経口投与に切り替えても、静注薬を継続した場合に比べた成績は劣らないと結論している。なお、こ の研究はDanish Heart Foundationなどの支援を受けている。