A Randomized Trial of Epinephrine in Out-of-Hospital Cardiac Arrest
Gavin D. Perkins, M.D.,Chen Ji, Ph.D.,Charles D. Deakin, M.D.,Tom Quinn, M.Phil.,Jerry P. Nolan, M.B., Ch.B.,Charlotte Scomparin, M.Sc.,Scott Regan, B.A.,John Long,Anne Slowther, Ph.D.,Helen Pocock, M.Sc.,John J.M. Black, M.B., B.S.,Fionna Moore, M.B., B.S.,Rachael T. Fothergill, Ph.D.,Nigel Rees, M.Sc.,Lyndsey O’Shea, B.Sc.,Mark Docherty, M.Sc.,Imogen Gunson, M.Sc.,Kyee Han, M.B., B.S.,Karl Charlton, B.Sc.,Judith Finn, Ph.D.,Stavros Petrou, Ph.D.,Nigel Stallard, Ph.D.,Simon Gates, Ph.D.,and Ranjit Lall, Ph.D. for the PARAMEDIC2 Collaborators*
August 23, 2018 N Engl J Med 2018; 379:711-721 DOI: 10.1056/NEJMoa1806842
院外心停止に対するエピネフリンの有効性
背景
院外心停止の治療にエピネフリンが使用されていることへの懸念から,国際蘇生連絡協議会(ILCOR)は,院外心停止患者に対するエピネフリンの使用が安全かつ有効であるかを明らかにするためのプラセボ対照試験の実施を呼びかけた.
方法
英国で行われた無作為化二重盲検試験において,国民保健サービス(NHS)の 5 地域の救急搬送部門の救急救命士が,院外心停止患者 8,014 例に,標準治療に加えてエピネフリン(4,015 例)または生理食塩水(3,999 例)の非経口投与を行った.主要評価項目は 30 日生存率とした.副次的評価項目は,退院まで神経学的転帰が良好であった生存者の割合などとし,神経学的転帰は修正 Rankin スケール(0 [症状なし]~6 [死亡])のスコアが 3 以下で良好とした.
結果
30 日の時点で,エピネフリン群では 130 例が生存し(3.2%),プラセボ群では 94 例が生存していた(2.4%)(生存の未補正オッズ比 1.39,95%信頼区間 [CI] 1.06~1.82,P=0.02).退院まで神経学的転帰が良好であった生存者の割合に有意差は認められなかった(4,007 例中 87 例 [2.2%] 対 3,994 例中 74 例 [1.9%],未補正オッズ比 1.18,95% CI 0.86~1.61).退院時に重度の神経障害(修正 Rankin スケールのスコアが 4 または 5)を有していた生存者は,エピネフリン群のほうがプラセボ群よりも多かった(126 例中 39 例 [31.0%] 対 90 例中 16 例 [17.8%]).
結論
院外心停止の成人患者において,エピネフリンの使用は,プラセボを使用した場合よりも 30 日生存率を有意に高めた.しかし,エピネフリン群のほうが重度の神経障害を有している生存者が多かったため,良好な神経学的転帰を有する割合に群間で有意差は認められなかった.