Gastroduodenal Ulcers and ABO Blood Group: the Japan Nurses’ Health Study (JNHS)
Lobna Alkebsi, Yuki Ideno, Jung-Su Lee, et al.
J Epidemiol .2018;Oct. JE20160204-1
【背景】
いくつかの研究では、ABO式血液型でO型は胃十二指腸潰瘍のリスク増加と関連していることが示されている。しかし、日本において血液型と胃十二指腸潰瘍の関連性を調査した研究はほとんどない。そのため、日本人女性の大規模コホート研究である日本ナースヘルス研究(n=15,019)の前向き/後ろ向きデータの両方を用いて分析を行い、ABO式血液型と胃十二指腸潰瘍発症リスクとの関連性を調査した。
【方法】
Cox回帰分析を用いて潜在的交絡因子を調整して、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定することにより、胃十二指腸潰瘍のリスクに対するABO血液型の影響を調べた。
【対象】
2001年から2007年にかけて、健康調査に協力した25歳以上の看護師、公衆衛生士、助産師の15,019人。O型29.4%、A型38.6%、B型22.4%、AB型9.6%。調査参加時の平均年齢は41.9歳。
出生年(1956年以前または1955年後)、喫煙状況(非喫煙者または現在の喫煙者)、アルコール消費(≤2日=週または3日以上=週)、NSAIDの使用(いいえまたははい)、および消費(≤2日=週または≧3日=週)、コーヒー(≤2日=週または≧3日=週)、味噌汁(≤3日=週または≧4日=週)、2回目の調査では朝食(パンまたはライス)
【結果】
非血液型(A、B、およびAB)の女性と比較して、血液型Oの女性は、出生時に胃十二指腸潰瘍のリスクが有意に高かった(多変量調整HR 1.18; 95%CI、1.04-1.34)。 さらに、血液型Oの1956年以前に生まれた女性では、胃十二指腸潰瘍の最も高い累積発生率が観察された。出生年別(1956年以前または1955年以降)の層別分析において、血液型Oの女性の多変量調整HR 1956年以前の群および1955年以降の群でそれぞれ1.22(95%CI、1.00-1.49)および1.15(95%CI、0.98-1.35)であった。
【結論】
血液型Oの女性は、それ以外の血液型(A、B、AB)の女性と比較して、出生時から胃十二指腸潰瘍の発症リスクが有意に高かった(多変量調整ハザード比 1.18、95%CI:1.04~1.34)。
血液型Oで1956年以前に出生した女性は、それ以降に出生した女性よりも、胃十二指腸潰瘍の累積発生率が高かった。(Oは塩酸の過剰な胃酸生成を有し、十二指腸潰瘍の影響を受けやすい)
1956年以前群:多変量調整ハザード比 1.22、95%CI 1.00~1.49
1955年以降群:多変量調整ハザード比 1.15、95%CI 0.98~1.35