Bariatric Surgery versus Intensive Medical Therapy for Diabetes — 5-Year Outcomes
Philip R. Schauer, M.D., Deepak L. Bhatt, M.D., M.P.H., John P. Kirwan, Ph.D., Kathy Wolski, M.P.H., Ali Aminian, M.D., Stacy A. Brethauer, M.D., Sankar D. Navaneethan, M.D., M.P.H., Rishi P. Singh, M.D., Claire E. Pothier, M.P.H., Steven E. Nissen, M.D., and Sangeeta R. Kashyap, M.D., for the STAMPEDE Investigators
N Engl J Med 2017; 376:641-651 February 16, 2017 DOI: 10.1056/NEJMoa1600869
背景
2 型糖尿病患者を対象に内科治療と外科治療とを比較した無作為化比較試験の長期成績は限られている.
方法
2 型糖尿病でBMIが 27~43 の患者 150 例を、「強化内科治療のみを行う群」、「強化内科治療とR-Y胃バイパス術を行う群」、「強化内科治療と胃切除術を行う群」のいずれかに無作為に割り付け、5 年後の成績を評価した.主要評価項目は糖尿病の薬物療法の有無を問わずHbA1c 6.0%以下とした.
結果
150 例のうち、5 年の追跡期間中に 1 例が死亡.
残り 149 例のうち 134 例(90%)が 5 年の追跡を終了.
ベースライン
134 例の平均(±SD)年齢は 49±8 歳、66%が女性、平均HbA1cは 9.2±1.5%、平均 BMI は 37±3.5 .
・5 年の時点で主要評価項目の基準を満たした割合
①内科治療のみを受けた患者で 38 例中 2 例(5%)
②胃バイパス術を受けた患者では 49 例中 14 例(29%)
③胃切除術を受けた患者では 47 例中 11 例(23%)
・外科治療は、HbA1cの平均低下量が内科治療のみよりも大きかった:2.1% 対 0.3%.
・5 年の時点で、胃バイパス術群、胃切除術群、内科治療群との比較
胃バイパス術群、胃切除術群、内科治療群でそれぞれ左から順に示す.
①体重(-23%、-19%、-5%)
②TG値(-40%、-29%、-8%)
③HDL値(+32%、+30%、+7%)
④インスリンの使用(-35%、-34%、-13%)
⑤QOL の指標(全般的健康状態スコアの増加が +17、+16、+0.3(RAND 36 項目健康調査のスコアは 0~100 で、スコアが高いほど健康状態が良好であることを示す)1 件の再手術以外重大な晩期合併症は報告されていない.
結語
5 年後の成績から、2 型糖尿病で BMI が 27~43 の患者では、肥満手術と強化内科治療の併用は、強化内科治療単独と比較して、高血糖の改善に有効であることが示された.