高知県での取り組み

 平成27年度より本学内科学Ⅰ教室、内科学Ⅱ教室の若手医師を本講座教員として7人採用し、高知県本山町の唯一の医療機関である「町立国保嶺北中央病院」に4ヶ月ずつ派遣し、救急から診療所勤務までのジェネラルな医療ニーズに対して、各医師の専門性に関わらず、幅広い診療支援を行いました。大学病院とは全く異なるフィールドでの若手医師の学びとやりがいは大きく、派遣医師にとっても満足度の高い結果を得られています。平成28年度は支援場所を変え、高知県四万十町の「くぼかわ病院」に医療支援を行いました。平成29年度は「町立国保嶺北中央病院」「くぼかわ病院」両院に医療支援を行っております。
 また平成28年8月には、大阪医科大学医学部、看護学部の学生に大阪薬科大学薬学部の学生を加え計6名が高知県本山町と嶺北中央病院に赴き、超高齢化がすすむ地域の特性や、多職種が連携して行われる地域医療の実際を学ぶことを目的に「多職種連携地域医療実習」を実施。平成29年度も同様に実施し、大きな学びを得られる機会となりました。
 このように高知県も兵庫県同様、今後本学の卒前卒後の地域医療教育や研究活動の重要なフィールドとなることが期待されています。

活動場所

嶺北中央病院
くぼかわ病院

■ 診療活動

医師派遣について

派遣医師は大阪医科大学内科学講座の各診療科に依頼し、7年目~15年目の若手医師を寄附講座の教員として1年契約で雇用。
2ヶ月間は前研修もしくは後研修として大阪医大附属病院総合診療科内での業務に従事、4ケ月間は高知に診療支援のために派遣、残りの半年は大阪医大附属病院内で元々の帰属診療科の業務を主としながら、総合診療科への診療サポートも必要に応じて行う方式をとっている。

平成27年(PDF)
平成28年度(PDF)
平成29年度(PDF)

活動報告

宮本 敬大「嶺北中央病院派遣報告」(PDF)
忌部 尚「4か月間の高知県での診療を終えて」(PDF)
藤澤 玲子「高知県四万十町での4か月間」(PDF)
山根 一志「くぼかわ病院での地域医療4ヶ月の経験」(PDF)

多職種連携地域医療実習

 大阪医科大学医学部、看護学部の学生に大阪薬科大学薬学部の学生を加え計6名が高知県本山町と町立国保嶺北中央病院に赴き、超高齢化がすすむ地域の特性や、多職種が連携して行われる地域医療の実際を学ぶことを目的に「多職種連携地域医療実習」を実施。
 嶺北中央病院の他にも、早明浦病院、本山町地域包括支援センター、通所リハビリセンター、特別養護老人ホーム嶺北荘、障害者支援施設しゃくなげ荘、本山町立汗見川へき地診療所、大川村国民健康保険小松診療所等多くの施設の方々のご協力を得て、医療人材や資源が少ない地域の現場でいかに多職種の密接な連携が重要であるかを学ぶ実習である。

▶平成28年度 報告
 ● 実習要項         ● 日程表 
 

■ ごあいさつ 

高知県本山町立国保嶺北中央病院          院長 佐野 正幸嶺北 佐野院長 トリミング

 平素より、高知県、大阪医科大学の皆様には当院への医師確保に協力頂いて感謝しております。平成27年度に引き続き、平成285月まで三上先生を派遣して頂きました。昨年度同様に、外来・病棟管理・検診・透析に従事していただきました。消化器内科に所属しているため、腹部エコー・上部内視鏡・下部内視鏡等の検査も、数多くしていただきました。また、初期臨床研修2年目の研修医の指導医として、高知大学医学部の5年生の地域医療実習の指導医として、加えて当院での常勤医師である卒後3年目の医師についてもカンファランスを含め、当院の医師とともに指導していただきました。
当院は、町立病院の特性を生かして行政との連絡を密にして、地域包括支援センターとも協力し、院内でもチーム医療を行い、医師を中心として、看護師・MSW・リハビリ・栄養士・薬剤師・検査技師・放射線技師が一体となって、疾患の治療から在宅復帰を目指しています。医療資源は乏しいですが、近隣の通所施設や、診療所・病院・老人保健施設とも連携し、地域で最後まで暮らしていけることを目指しています。
 医師不足は年々深刻になってきています。医師だけでなく、看護師、薬剤師の確保も困難になっています。平成29年度からも、渡邉先生、島田先生を派遣していただいていますが、今後も嶺北地域の地域医療継続のためにご支援をよろしくお願いします。

医療法人川村会くぼかわ病院            副院長 齋藤 誠司⑥-写真 斎藤顔写真(2017)【副院長 くぼかわ病院】

 当院は高知県四万十町において、域内唯一の救急を担う地域中核病院であり、災害拠点病院ともなっております。体制は救急医療に始まり、一般・地域包括・回復期・療養の各病床172床に加え、併設老健53床、また訪問での診療・看護・リハビリも有しております。
 昨今の医療状況の中、高齢化地域にある医療機関としての社会的責任は大きく、特に多様で脆弱な高齢者の病態を知悉した包括的診療の意義は高く、平成284月から総合診療科より先生方の派遣を頂いております。この1年、先生方の精励を見させていただき、水際立つ仕事ぶりは当院の中でも精彩を放っておりますが、何よりも感じたのは、誠実で温厚な患者様と職員への態度でした。患者様の主体を尊重し、われわれ組織のあり方にも配慮いただく姿勢が、言葉遣いや態度から窺い知れ、ストレスのかかる実臨床の場で、常に瞠目させられております。
 社会の高齢化に倣うように、当院の常勤医師も寄る年波を感じる面々となっておりますが、先生方の姿は、日々眼前の仕事に追われる勤務医集団となっておりました我々古参の医師にとって、「忘れかけていた目には見えない大切なもの」をあらためて気付かせてくれるような存在となっております。言わずもがな、先生方のありようは、御大学のありようでもありましょう。
 地域に根付いた医療のあり方にご理解、ご協力いただけることに深く感謝申し上げ、これからも高配賜れますよう、何卒よろしくお願いいたします。

大阪医科大学
学長 大槻 勝紀

大阪医科大学と
高知県との
医師派遣の基本協定締結式(平成27年)

高知県との医師派遣事業は平成27年2月から開始し、平成28年3月末までに内科医7名を本山町の町立国保嶺北中央病院に派遣してきました。派遣医師の報告から彼らがこれまで本学内科で経験しえなかった症例(骨折、マムシ咬傷、くも膜下出血、脳梗塞など)を数多く経験することができ、また医師として地域医療の大切さや社会貢献の重要性を改めて認識したことが伺われます。高知医師派遣事業については平成28年1月13日私立大学連盟医療系学部長会議で報告させていただき、「地方創生と地域・コミュニティ」の開催趣旨にふさわしい内容と評価されました。
 また平成28年3月24日に高知県庁で尾﨑正直知事と大阪医科大学学長大槻との間で「大阪医科大学と高知県との連携のための基本協定書」が交わされました。平成28年4月から平成29年3月まで嶺北中央病院に1名、くぼかわ病院へ6名の医師派遣を行うことになりました。その際、尾﨑知事に教育面で本学医学部と看護学部および大阪薬科大学薬学部の学生による多職種教育のための地域医療の場の提供をお願いいたしました。8月1日から5日まで各学部から2名ずつ計6名の学生が嶺北中央病院で多職種連携地域医療実習を行うことが決まりました。これもひとえに高知県庁職員、嶺北中央病院関係者や本学総合診療科での前研修に関わった鈴木富雄特任教授をはじめ関係者のご助力によるものと深く感謝いたします。